「風と土の交藝in 琵琶湖高島」は、かつてのにぎわいが失われつつある高島市の未来を憂う、たった一人の住民の熱い想いに賛同した有志たちによってはじまりました。
2010年9月末、市内のキーマンへの声かけからはじまり、2011年1月末の開催という非常にタイトなスケジュールの中でこの企画の骨子をつくりあげていきました。相談や協力のお願いをした高島市内外の有識者からは「絶対うまくいくはずがない」など、たくさんの否定的な意見をぶつけられながら、少ないスタッフで連日深夜にまで及ぶ会議や準備を積み重ね、なんとか開催に漕ぎつけました。
開催当日は10年に一度の大雪に見舞われたましたが、予想を上回る来場者(延べ約3,400人)に来ていただくことができました。企画から広報、準備、反省会に至るまで、出展作家ならびに無償で走り回ってくれたサポートスタッフ、協賛いただいた地元企業、たくさんの方の協力を得て、無事に開催することが出来ました。
また、このプロジェクト発案のきっかけの一つとなった越後妻有アートトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭の総合ディレクターをつとめた北川フラム氏をゲストに招き、「地域と交わるアートの力」と題したシンポジウムも開催しました。
第2回目の風と土の交藝は、前年度の開催内容をさらに充実させ、反省点を踏まえながら、イベント自体の質の向上を意識して、より多くの協力者を得ての開催となりました。
イベント開催の一月前には、宣伝を兼ね、地元ホテルと連携したアートマルシェの開催や、風のパスポートの販売など新たな試みやシステムを導入しました。また、前年度からの継続スタッフ含め、積極的かつ有能なサポートスタッフが多数集まり、このプロジェクトを盛り上げてくれました。
イベント終了後もスタッフ同士や作家とスタッフの交流が深まり、独自のツアーやイベントを企画したり、主催者側の意図を超えるようなネットワークが拡がっています。
第2回目は前年度を更に上回る来場者(述べ約5000人)にご参加いただきました。多くの人が関わることでそれぞれの想いが錯綜し、たくさんの課題が出てくると同時にそれ以上の可能性を感じることが出来るイベントとなりました。
シンポジウムでは、東洋文化研究家のアレックス・カー氏による「犬と鬼~知られざる日本の肖像」と題した講演もありました。
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